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2001_UT

 発売が延期になっていたユニクロのUT「SF映画コレクション」『2001年宇宙の旅』Tシャツが販売開始されました。実店舗での試着や質感・品質の確認などこだわりのない方はオンラインストアが利用できます。以下のリンクからどうそ。

SF映画コレクション UT

2001年宇宙の旅(半袖・レギュラーフィット)ブラック
サイズ:XS、S、M、L、XL、XXL、3XL、4XL
素材:100% 綿
価格:1500円(税別)

2001年宇宙の旅(半袖・レギュラーフィット)ホワイト
サイズ:XS、S、M、L、XL、XXL、3XL、4XL
素材:100% 綿
価格:1500円(税別)

※XS・XXL・3XL・4XLサイズは、オンラインストアのみでの取り扱いとなります。


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open_door_pod
言われなきゃ気づきません。素晴らしいアイデアです。

 デイヴィッド・G・ストーク編の『HAL伝説』によると、『2001年宇宙の旅』の人工知能やコンピュータ関連のアドバイザーだったマービン・ミンスキーはこう証言しています。

 ディスカバリー号の緊急ドアをあけるのにポッドが使われるシーンを見たときは、とりわけ感心した。あのシーンのためだけに、非常に精巧なギアとモーターの仕掛けを作ったにちがいないと思ったんだ。そのあと自分がどんなに世間知らずが思い知らされたよ。じつは、あのシーンはストップ・モーションで撮影され、ディスカバリー号のなかの裏方がハンドルを回していたんだ。ポッドのアームはそれにあわせただけなんだ!ちょっとがっかりしたな。

 映像を見ると、ストップモーション(コマ撮り撮影)とは思えないほどスムーズにハンドルが回っていますが、個人的にはコマ撮り撮影を試したけど不自然でボツになり、モーターを使ってゆっくり回して高速度で撮影したんじゃないかと思っています。どちらにしてもポッドのマニピュレーターではなく、扉の裏側から回していたなんて、単純だけどよく思いつきますね。カットの割り方が自然なので完全に騙されていました。

 なお、このミンスキーが『2001年…』に与えた影響・貢献は少なくないものがあるのですが、それは後日まとめて記事にしたいと思います。

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hal-screen
HALのモニタに表示されたワイヤーフレーム「偽」CGアニメーション

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撮影中(テストの可能性も)のアンテナ。

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アンテナのネガフィルム。8×10に見えます。たとえ「賑やかし」映像でも手は抜きません。

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アンテナの針金模型を制作するトランブル。

 この事実を初めて知った時は衝撃的でした。キューブリックの逝去前から「『2001年宇宙の旅』は一見最先端の撮影技術を駆使しているかのように見えるが、実はかなりの部分が手作業(力技)で、それを恐ろしく時間をかけ、かつ高品質でそれを行っている」と言われていたのですが、近年明かされるその「手作業」の部分にはいつも驚かされます。

 このアンテナユニットのワイヤーフレームCGアニメーションもその一つで、実は文字通りアンテナユニットをワイヤー(針金)で作って白く塗り、それを自由台座の上に据え付けてコマ撮り撮影し、ネガファイルムを作成したそうです。言われてみれば動きが微妙に手作りアニメーションっぽいですね。

 このアニメーションを製作したのはあのダグラス・トランブル。トランブルの『2001年…』における八面六臂の活躍ぶりは凄まじく、キューブリックが『2001年…』で重要な役割を果たした特撮マン4人の内の一人に挙げるのも納得です。ただ、ご本人はアカデミー賞視覚効果賞の受賞をキューブリックに持って行かれたことにかなり不満だったそうですが。

 でもそのトランブルに、ツァラトゥストラ演奏付きのオープニングの映像を観せて「これでいいかな、それともやりすぎかな?」と客観的な評価を仰ぐキューブリックがいい。トランブルは「素晴らしいと思います。僕は好きですよ、これでいってくださいよ」と応えたそうですが、このエピソードひとつとってみても、キューブリックがトランブルの才能を高く評価していたのが伺えますね。

 

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moon_photo
レンズ周りに少しパーツを加えているように見えます。

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ハッセルブラッド 500C 水中カメラケース

Hasselblad_500C
ケースの中に入っていた(と思われる)ハッセルブラッド 500C

 「真空用」ではなく「水中用」だったんですね。商品名も特定されていて、「ハッセルブラッド 500C 水中カメラケース(Hasselblad 500C Underwater Camera Housing)」です。おそらく中に入っていたカメラもハッセルブラッド 500Cではないかと思われます。その時代に現存するカメラをそのまま使ったんですね。

 ではなぜ月面用カメラに水中カメラが選ばれたのか?ということですが、キューブリックとクラークの間でこんな会話があったとか、なかったとか。

「なあアーサー、月面で使うカメラのことなんだけど、どんなものがいいと思う?」

「そりゃスタンリー、宇宙と水中は似てるから水中カメラに決まってるよ!なんたって俺はしょっちゅう海に潜っているからね」

「なるほど、確かに水中で写真撮ってもらうには〈パートナー〉が必要だもんな」

・・・冗談はさておき、500Cは1962年に宇宙飛行士のウォルター・シラーがマーキュリーロケットに乗せ、宇宙空間を鮮明に記録した最初のカメラという名声を得たそうです。その情報をキューブリックは参考にしたのかも知れませんね。

 ちなみにカメラマンを演じたのはバーネル・タッカーという俳優で、『スター・ウォーズ(新たなる希望)』で反乱同盟軍の通信士デル・ゴレンを、次作『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』では同じく反乱同盟軍の氷の惑星ホスのエコー基地所属、ワイロン・サーパー大尉を演じています。詳細はこちらをどうぞ。

▼この記事の執筆に当たり、以下の記事を参考にいたしました。
ハッセルブラッドの歴史

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ae-35unit_1
AE-35ユニットをX線で調査するシーン。飛行機に詳しい方がこの映像を見るとジャイロスコープと気づくのでは?

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映画で使用されたプロップ。

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本物の飛行機のジャイロスコープ。機種を特定できる方がいらっしゃいましたらぜひご一報を。

 言われてみれば、確かにそんな感じ。『2001年宇宙の旅』でアンテナ台座に取り付けられ、HALの故意による故障の原因にされてしまった「AE-35ユニット」。実はこのプロップは飛行機のジャイロスコープを改造したものだったそうです。

 クラークの小説版『2001年…』では「ハガキ大の薄い板」だったのですが、キューブリックはなぜか大げさな箱型機械にしてしまいました。しかも2001年にしてはちょっとアナクロな感じ。どうして小説版通りに映像化しなかったのかは謎ですが、ハガキ大の薄い板を囲んで大の大人が雁首並べて「うーん・・・」と悩んでいる姿は画にならない、と判断したのかも知れません。某国家運輸安全委員会でもFDRやCVRを調べるシーンは、あの大きさだからサマになるんだと思います。

 AE-35ユニットはアンテナの方向を制御する装置。ジャイロスコープは飛行機の姿勢を制御する装置。飛行機に乗らない理由をキューブリックは

「お望みなら知恵者の臆病と呼びたまえ。実際の所、何年にも渡って私は自分が飛行を楽しんでいないことに気がついた。そして航空会社の広告では決して言わない、商業飛行の妥協のある安全基準に気づき始めた。それで私は船で旅行することにしたのさ」(出典:キューブリック/イメージフォーラム増刊)

と語っていますが、キューブリックはパイロット免許の所有者でもあったので飛行機に関しては「知恵者」のはず。ですので、AE-35ユニットとジャイロスコープとの共通性に気づき、それを取り寄せて改造することを指示したのかも知れませんね。

追記:AE-35ユニットのプロップのベースは、スペリー社のジャイロコンパス G.M.compass MK4 - 6B/563 だそうです。詳細はこちら

▼この記事の執筆に当たり、以下の記事を参考にいたしました。
AE-35 Unit Replication Project

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