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 一足早く発売になった海外版をソースに、『2001年宇宙の旅』リマスターBDと4KUHDの画像比較動画がアップされていましたのでご紹介。

 こうして比べてみると結構色調が違いますね。全体的には4KUHDの方が赤味が強いように感じます。同じ8Kマスターを用いているはずなのに、ここまで違うのは何か理由があるのかどうかはわかりませんが、好みとしてはリマスターBDの方です。当然ですが、解像度は4Kの方が上です。画像のエッジの鮮明さがHDと4Kではここまで違うのか、と驚かされます。

 4Kの視聴レポートはいくつか目にしましたが、色調に関しては再生装置(液晶TVやBDプレーヤー)越しに比較したところでメーカーや設定でどうにでも転んでしまいますので、あまり意味はないと感じていました。一番確実なのはディスクをPCに読み込んで、画像データそのものを比較する方法です。この動画はおそらくそうしてPCでキャプチャしたものを比較しているようですので、かなり説得力がありますね。とても参考になる動画だと思います。
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 「宇宙=無重力=美しき青きドナウ」という図式は、それこそうんざりするほど見させられているのですが、今年は『2001年宇宙の旅』公開50周年だったので、「初めて『2001年…』を観た」という方も多かったでしょうし、それによって元ネタを知ったというパターンもあったかと思います。

 事業会社のソフトバンクも「ドナウ」ネタや「ツァラトゥストラはかく語りき」ネタをやっていますし、他社CMでも数え切れないくらい『2001年…』ネタを、それこそ「50年間も」しつづけてきています。それをここでは紹介し切れませんが、今後も「宇宙=無重力=ドナウ」や「何かが登場(もしくは夜明け)=ツァラトゥストラ」はCMその他のネタにされ続けるでしょう。



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2001_UHD_REBD2018年12月19日に発売になった4K UHDとリマスターBD。

 “もしもその題材が文章化、あるいは思考化できるのなら、映画化も可能だ”

 こう語った巨匠スタンリー・キューブリックが、SF作家アーサー・C・クラークとともに創案を練り上げたストーリーを映画化、自らの言葉を実証してみせたのが『2001年宇宙の旅』だ。その映画史に燦然と輝く偉大なる名作が、いよいよUHDブルーレイでリリース、圧倒的なビジュアルとともに家庭劇場を染め尽くすことになった。

 本作はスーパーパナビジョン70方式(後述)で撮影。65mmオリジナルネガを8K解像度でスキャニング。4K解像度によるレストアとカラーグレーディング。HDR10とドルビービジョンによるHDRグレーディング。1968年公開/オリジナル6トラック音源の追加。もちろん同時リリースのブルーレイも同じマスターを使用したリマスター版となっており、最新ディスク・スペックがシネフィルの興味を強くそそるに違いない。そしてこれまで数々リリースされてきたパッケージ・ソフトとも異なる(HD放送も同様)、はるかに進化した購入必至の仕上がりとなっている。

〈以下略〉

(全文はリンク先へ:Stereo Sound Online/前篇:2018年12月14日後篇:2018年12月19日



 この記事には「2007年のブルーレイは(国内版は2009年発売)、1999年にレストアされた65mmネガから生成した35mmインターポジ(色補正などを経て作られた第1世代プリント)を2Kスキャンして制作された。」とあります。つまり、

(1)1998年初版DVD(ノートリミング版LDマスターの流用?)
(2)2001年リマスターDVD向けに35mmインターポジからSD(?)スキャン
(3)2007年BD向け(DCP向けも?)に35mmインターポジから2Kスキャン
(4)2018年リマスターBD、4KUHD、iTunes4K、8KOA向けに70mmネガから8Kスキャン

参考:LD DVD & ブルーレイギャラリー/2001年宇宙の旅

と少なくとも3〜4回はデジタルスキャンされ、ここで記事にしたその内の(2)、(3)はボーマン宇宙遊泳シーンのワイヤーを消したということになります。もし、(3)の2KスキャンマスターがDCPやIMAXに転用されたのなら、IMAXでワイヤーの影がなかったことの説明になります。また、ある方からのリークでIMAXは2Kであるとの情報を得ていることもここでお知らせしておきます。

 記事を読み限り、今回はかなり厳密に作業しているようですし、例によってレオン・ヴィタリも参加しているそうです。ということは「見落とした」とは考えづらく、おそらく「オリジナルを忠実に再現し、傷などの修正以外はいっさい手を加えない」という方針が徹底された結果なのでしょう。

 以前ここで記事にした宇宙ステーションの椅子(ジンチェア)の色の話題もありますが、カタリーナの証言によると、色は「フクシア色(マゼンタより幾分パープル色素が強い色)」だったそうです。しかし、残された写真は(ピンク寄りの)赤にしか見えません。撮影された環境によってこうも色が変わるものかと驚くばかりです。

djinn_4どう見ても(ピンク寄りの)赤にしか見えませんが、写っている本人(写真左のカタリーナ)がそう言うのだから信じるしかないでしょう。

 宇宙遊泳シーンのワイヤーの影の件に話を戻すと、管理人がこの事実に気がついたのは70mm上映の時でした。帰宅してすぐ手持ちの初版DVD、リマスターDVD、BDを確認したところ、あり、なし、なしの結果でした。その後のIMAX上映では影はなく、NHKの8Kオンエアでは影があったことを確認しています。4K UHDやリマスターBDでも確認したかったのですが、発売延期のトラブルで入手が遅れてしまい、「ひょっとしたらこの件はHiViの特集で何らかの言及があるかも」と思っていましたが、特に指摘はありませんでした。ですので記事にして公開し情報を募った、という経緯になります(この記事はこちら)。

 おそらく多くの『2001年…』ファンはリマスターDVDかBD、もしくそのBDや2Kスキャンマスターを使用した衛星放送のOAやネット配信を観ていたはずです。しかし、これらのソースではワイヤーの影は消されていました。それ以前のLDやVHSの時代だとブラウン菅ですので、解像度が悪くて影に気がつきにくかったでしょうから、ほとんど誰も気がつかなかったのも無理ありません。映像の高解像度化は喜ぶべきことですが、このように撮影の粗も見えてしまうというデメリットもあります。キューブリック本人も、こんな未来が待ち受けているとは予想だにしていなかったでしょう。管理人としても粗探しは本意ではありませんし、もっと内容に目を向けるべきだとは思いますが、さんざん消費し尽くされた『2001年…』で、こういった「新たな発見(たとえ粗でも)」あるというのは、なんだか楽しい気分になるのも事実です(笑。もしかするとこういった粗探しに不快感を覚えるファンの方もいらっしゃるかもしれませんが、今更言うまでもなく『2001年…』の評価はこの程度の粗で揺らぐものではありません。ですので、「作品の楽しみ方」はそれぞれの鑑賞者の方におまかせしてもいいのではないか、と思っています。

2018年12月25日:加筆・修正
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2001_pod1初版DVDのボーマン宇宙遊泳シーン。足元に2本のワイヤーの影が見える。

2001_pod2リマスターDVDの同じくボーマン宇宙遊泳シーン。ワイヤーの影は消されている。

2001_EVA宇宙遊泳シーンの撮影風景。

 『2001年宇宙の旅』で、ボーマンがスペースポッドからAE35ユニットを手に宇宙空間へと乗り出すシーンは、ボーマン(演じたのはキア・デュリアではなくおそらくスタントマン)とスペースポッドをスタジオの天井付近に吊るし、その真下にカメラ置いてレンズを垂直に真上に向けて撮影したものです。この撮影は、スタントマンがたった2本のワイヤーでセーフティーネットもなしに空中に吊るされるという非常に危険なものでした。

 その2本のワイヤーは左上から当たる強烈なライトによってスペースポッドに影として映ってしまっているのですが、『2001年…』の視聴メディアによって、その「影」があったりなかったりしているようです。

 以下はDVD化以降の「影のあり・なし」を調べたものです。

初版DVD……………………影あり
リマスターDVD……………影なし
BD……………………………影なし
DCP…………………………不明
HDリマスターBD…………影あり※
4KUHD……………………影あり※
iTunes 4K・HDR…影あり※
70ミリフィルム上映………影あり
IMAX上映…………………影なし
NHK8K放送………………影あり

 以上の結果から、オリジナルネガには影があるものの、そのままにするか修正するかは、その時修正する当事者の判断にまかされているように思います。もしくは気づいたら消去し、気づかなければそのままという可能性も。70mmは「アンレストア(修復しない)版」という明快な趣旨があったので理解できますが、傷などを修復をしているその他の媒体なら消すのが自然だと思います。もしキューブリックが存命なら消させた可能性が高いですが、どうもワーナー側できっちりコントロールしている訳ではなさそうです。どうしてこんな曖昧な判断になっているのかよくわかりませんが、影を消すなら消す、消さないなら消さないで統一して欲しいものです。

 この問題、海外でも話題になっているかと思い、検索してみましたがヒットしませんでした。こんな細かなことを気にしているのは少数派だとは思いますが、消した・消していないがはっきり分かるという意味では貴重なシーンです。それにしても影が目立ってしまう8Kオンエアで消していなかったのには驚きました。

 なお、「未確認」となっているのは現段階で未入手だったり、未視聴なため確認できなかったためです。私の手元にHDリマスター&4KUHDが届くのは来年になりそうです(入手できても4KUHDの視聴環境はないのですが。泣)ですので、もしここをご覧になっている方で確認できるようでしたら、Twiitter掲示板メールでお知らせくださると幸いです。

2018年12月23日追記:HDリマスターBD、4KUHD、iTunes 4K・HDRには影があるとの報告がありました(※)ご協力くださいました皆さま、ありがとうございました。ということは、これらは全てNHKの8Kスキャンデータのダウンコンバートということでしょうか? となるとIMAXで影がなかった理由がわからないのですが、IMAX版は独自に修正を施したのでしょうか? それともBD、もしくはDCPのデータの流用? 疑問が残ります。

2018年12月24日追記:このワイヤーの影の件は引き続き考察しています。詳細はこちら
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EWS_last

 聖なる夜に感動とサプライズは付きもの。心動かす贈り物から、驚きを隠せないクレイジーなものまで。私たちの涙と笑いを誘うクリスマスギフト名シーンをD姐がお届けします。

〈中略〉

綻びかけた夫婦に不可欠だったのは……。『アイズ・ワイド・シャット』

 巨匠スタンリー・キューブリックの遺作にして、トム・クルーズ&ニコール・キッドマン夫妻の最後の共演でもある問題作。冒頭からニコールの全裸&トイレシーン(トムが真横にいるのに!)という衝撃のシーンで始まり、濃厚で過激な官能的な作品でありながら、実は全編が聖なるクリスマスシーズン。夫婦という枠組みに囚われた、現代社会での葛藤と欲望、煩悩を現実として目の当たりにしてしまった後、最後に二人が子供を連れてクリスマス・プレゼントを買いに行く。ショッピング中のぎこちない夫婦の会話で、ニコール演じる妻が欲したものとは? 綻びかけた夫婦に不可欠なクリスマス・プレゼントをズバリ答えてくれています(多分)。そう考えると、この作品後ほどなくして二人が離婚してしまったのはちょっと意味深……。

〈以下略〉

(全文はリンク先へ:VOGUE JAPAN/2018年12月20日




 WEB版とは言え、VOGUEのようなメジャーな雑誌がキューブリック作品を採り上げるのは珍しいと思ったのでご紹介。

 ラストのセリフの「ファック」の意味ですが、管理人はさんざん(それこそ公開当時から)ダブルミーニングだと言っているのですが、あまり一般的な解釈ではないようで、鑑賞者のほとんどがその意味を肯定的(つまり愛の行為)な意味のみ解釈しているようです。個人的にはダブルミーニング大好き、捻くれ者で皮肉大好きなキューブリックがそんな甘い結末を用意するはずがないと思っているのですが。

 それに、物語構造が『時計じかけのオレンジ』と同じ(夜の冒険→いい気になってよからぬことに首をつっこむ→転換点のイベント→夜の冒険を全く違う立場でトレース→自分より大きな存在によって弄ばれていたことを知る→意味深な一言で終わる)であることを考えると、『時計…』の「完ぺきに治ったね」と同様、原作にはないこの「ファック」という言葉の意味を、もっと多くの鑑賞者が考えるべきだと思っています。

 「キューブリックは女性を描けない」とはよく耳にする批評ですが、この『アイズ…』に関してはキッドマンはクルーズより上の立ち位置で、常に冷静に物語を(眼鏡越しに)見つめています。キューブリックは愛妻家(というより、生涯クリスティアーヌにベタ惚れだった)であり、子供も三人とも娘という常に女性に囲まれた家庭環境であったことを考えると、「女性の正体」については熟知していたはず。『ロリータ』では様々な制約があって描けなかった「女性の正体」を、この『アイズ…』ではキッドマンに纏わせているし、『アーリアン・ペーパーズ』では主人公ターニャが、ナチス占領下のポーランドをずる賢くも逞しく生き抜く姿を、甥っ子のマチェックの目を通して語っていたはず。そう考えると、キューブリックの女性観を知るには『アーリアン・ペーパーズ』が最適だったと思わずにはいられず、中止になってしまったのは返す返すも残念です。
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