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 「watch mojo」という映画ファンにはおなじみの映画チャンネルがYouTubeにあるのですが、その日本語版が開設されたらしく、2014年5月20日の記事「【関連動画】映画に於ける偉大なアドリブシーン25」でご紹介した動画「Top 10 Improvised Movie Moments」の日本語版がアップされていたのでご紹介。

 キューブリックに関する多くの誤解の中で、一位二位を争う誤解っぷりでファンを困惑させるものに「キューブリックはアドリブを許さない」というものがあります。実際は全くの真逆で、キューブリック作品はアドリブだらけです。それも映画史に名を残す名アドリブばかりなのですが、それはこの動画で『博士の異常な愛情』『時計じかけのオレンジ』『フルメタルジャケット』『シャイニング』と4作品もキューブリック作品が採り上げられていることでも明らかです(多分に動画制作者の好みが反映されているにしても)。

 キューブリック本人もインタビューで

 (脚本は)リハーサルでも状況に応じて変える。撮影現場で重点の置き方が変わることもあるから、シナリオ(脚本)の最終決定稿が完成するのは、撮影現場で最後のショットが終わった時だ。

 監督にとって、どう撮るかは、むしろ簡単な決定で、楽な仕事だ。重要なのはシュート(撮影)する前の段階で、それは撮影するに足る何事かを起こしえるかへの挑戦なのだ、撮る内容をいかに充実したものにするかだ。

(引用元:イメージフォーラム1988年6月号/スタンリー・キューブリック・ロングインタビュー


と、アドリブの重要性を説明していますが、なぜか映画評論家やキューブリックファンを自称する有名人やコメンテーターはこの一次情報を無視し、キューブリック作品から受ける精緻で計算され尽くしている印象から、「アドリブを許さない」という誤解を信じきっています。「印象」を「事実」として「得意げに語る」人が後をたたないため、いち素人がこんなブログでそれを訂正しなければならないハメになっていますが、もうそろそろ「(初期以外の)キューブリック作品のほとんどはアドリブ」という事実を事実として一般に広く定着してほしいものですね。

追記:動画中の『ダークナイト』のアドリブはデマだそうです。まあ、注意深く見れば爆発のタイミングとカメラの動きが計算され尽くしているのがわかりますので、デマだとわかりそうなものです。
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改装され、オープンしたウェスト・ノーウッド図書館・映画館のPV。「コミュニティと協議を重ね、地域の資産として図書館と映画館を開設した」とのこと。施設内には『時計じかけのオレンジ』のポスターが飾られている。

Picturehouse映画ではアレックスの出所試験の舞台として使用された。

 『時計じかけのオレンジ』のルドビコ療法お披露目シーンで使用されたロケ地、ウェスト・ノーウッド図書館にある「ネットルフォード・ホール」が映画館に改装され、装いも新たに「ウェスト・ノーウッド図書館・映画館(West Norwood Library & Picturehouse)」として、2018年11月9日にオープンしたそうです。

 2011年6月、銅屋根が盗難被害に遭ったため、図書館とホールが閉鎖されていましたが、改装工事を経てホールが映画館に生まれ変わりました。スクリーンは4つで、その内のスクリーン1が改装された旧ネットルフォード・ホールのようです。上記動画を見ればわかる通り、特徴的な天井はそのままで、オレンジ色のシートが意味深に配置されています。キャパはそれほど多くはなさそうですが、早速『時計じかけのオレンジ』の上映も期待したいところ。

 所在地は南ロンドンのウェスト・ノーウッド駅すぐ。公式フェイスブックはこちら
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Douglas Rain as King Henry V in a 1966 Stratford Festival production



 SF映画『2001年宇宙の旅』(1968)でコンピューターHAL 9000の声を担当した俳優のダグラス・レインさんが現地時間11日朝、カナダ・オンタリオにあるセント・メアリーズ・メモリアル病院で亡くなった。90歳での自然死だった。カナダの舞台芸術祭ストラトフォード・フェスティバルの広報が発表した。

〈以下略〉

(全文はリンク先へ:シネマトゥデイ/2018年11月12日





 『2001年宇宙の旅』『2010年』のHAL9000コンピュータの声を担当した、カナダ人俳優、ダグラス・ジェイムス・レインは、2018年11月11日朝、自然死で逝去しました。享年は90歳でした。

 ハリウッド・リポーターの「Douglas Rain, Voice of HAL 9000 in '2001: A Space Odyssey,' Dies at 90」やそのリンク先の「2010 Odyssey Archive/Douglas Rain - The Immortal Voice」には、HALの声録音のエピソードとして「(レインは)1967年後半(末)にニューヨークに飛んで、HALの声を録音するために1日半 、約9時間30分を費やしました」とあります。HALのシーンの撮影は1966年前半ですので、なんと1年半もの間キューブリックはHALの声を決めかねていたことになります。ということは、キューブリックはこの時期渡米していたんですね。翌年の4月には『2001年…』のニューヨークプレミアで渡米していますので、「何回か旅客船で大西洋を横断している」というのは『人類の夜明け』のパートの撮影が終わり、スターゲート・シークエンスをあれこれ試しつつポストプロダクションをしていた、1967年頃のことだったようです。

 AppleのCMにHALを登場させた際、レインはHAL役を拒否しましたが、そのエピソードはこちらにまとめています。また、映画やキューブリックについて公式に語ることはせず、イベントなどにも一切出演しませんでした。「彼はアーティスト」と評されていた通り、ダグラス・レインはカナダのオンタリオ州ストラトフォード・シェイクスピア・フェスティバルで、長期にわたってシェイクスピアからモリエールまでのすべての古典を上演することに成功した、舞台俳優であり監督でした。

 1928年5月9日カナダ・ウィニペグ生まれ。2018年11月11日逝去、享年90歳。故人のご冥福をお祈りいたします。
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キューブリックは映画化を断念したが、それから32年後の1988年にアンドリュー・バーキンによって映画化された『ウィーンに燃えて(Burning Secret)』の予告編



Unmade Stanley Kubrick Script ‘Burning Secret’ is Going Up For Auction

Acclaimed director Stanley Kubrick died in 1999, but if a bold enough filmmaker comes along, a new movie may be added to Kubrick’s cinematic legacy.

Kubrick co-wrote the script for a movie adaptation of a novella called Burning Secret back in 1956, but the film never got made – not only that, the screenplay was thought to be lost forever. But someone found it earlier this summer, and the Stanley Kubrick Burning Secret script is officially going up for auction later this month. Could his version of the story actually make it to the big screen after all?

Deadline says the long-lost script is going up for auction at Bonhams New York on November 20, 2018, and it’s expected to sell for around $20,000.

キューブリックが制作しなかった『燃える秘密』の脚本がオークションに登場

 著名な映画監督スタンリー・キューブリックは1999年に死亡したが、映画化に挑戦する監督が現れると、キューブリックの映画遺産に新しい作品が追加される可能性がある。

 キューブリックは1956年に『燃える秘密』と呼ばれる小説の映画化のための脚本を共同で執筆したが、その映画は作られなかっただけでなく、永遠に失われたと考えられていた。しかし今夏、誰かがそれを見つけ、今月末にオークションに正式に登場する。結局のところ、キューブリックの脚本バージョンは映画になるのだろうか?

 最終的には2018年11月20日にニューヨークのボンハムズでロング・ロスト・スクリプトのオークションが開催されることになり、約2万ドルの売り上げが予想されている。

〈以下略〉

(全文はリンク先へ:Slash Film/2018年11月8日




 キューブリックの幻の脚本が見つかった!と大げさな見出しが踊ったのは今年の7月でしたが、結局たいした価値がないと判明したためか、オークションにかけられることになったそうです。売り上げは2万ドル(約230万円)を予想しているそうですが、そこまで高値が付くかどうか。

 以前、この記事で指摘した通り、この『燃える秘密』はキューブリックが駆け出し(『現金に体を晴れ』〜『突撃』)の頃、MGMが映画化権を持っていた小説の中から選んだだけのもので、本人も「もう一度復活させて映画にする気はない」と明言しています。それにすでに1988年にキューブリックの元アシスタント、アンドリュー・バーキンによって映画化されていますので、新鮮味はないですね。

 おそらくこの脚本をベースに再映画化されることはないでしょうから、資料的価値の観点から語られるのみでしょう。ただ、いくらで落札されたか興味はありますので、結果がわかりましたらまた記事にしたいと思います。
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 この度、70mmフィルムのニュープリント版とIMAX版の上映、8Kテレビ放送など製作50周年を経た今もなお話題となるSF映画の最高峰、『2001年宇宙の旅』に影響を与えたといわれる奇蹟のSF映画『イカリエ−XB1』が12月26日に国内初ソフト化されることが決定いたしました(レンタル同日開始)。

〈以下略〉

(全文はリンク先へ:KING MOVIES NEWS/2018年11月8日






 今年5月に日本初公開され、話題になった『イカリエ-XB1』については、以前こちらこちらで記事にしていますが、既定路線通り、DVD/BD化されるそうです。

 キューブリックは『2001年…』の制作にあたり、ありとあらゆるSF映画を観ていたというのは有名な話ですが、この『イカリエ-XB1』もその中の一作でした。ただ、キューブリックのアシスタントだったアンソニー・フリューインは『イカリエ-XB1』の影響については否定的なコメントをしています。

 ムック『季刊映画宝庫 SF少年の夢』の座談会で、参加者の石上三登志氏が「そうすると『禁断の惑星』から68年の『2001年宇宙の旅』までぽんと飛んでしまうのでしょうか。ただその間に、たとえば『ミクロの決死圏』もあり、『博士の異常な愛情』もある。怪獣SFが人形アニメーションのレイ・ハリーハウゼンの活躍もある」と語っています。それに対して映画評論家の森卓也氏は「ここでハリーハウゼンを入れ込んでくるとちょっとややこしくなる」と応えています。つまり宇宙映画としてのSF映画として、この『イカリエ-XB1』の存在が当時全く知られていなかった、ということになります。それもそのはず、この隠れた傑作SF映画は当時日本未公開だったのです。もしこの映画の存在を石上氏や森氏がご存知であれば必ず名前を挙げていたでしょうし、『禁断の惑星』(1956年)と『2001年宇宙の旅』(1968年)を繋ぐミッシング・リンクとして重要視していたでしょう。

 この『イカリエ-XB1』の原案は小説『マゼラン星雲』で、作者は『惑星ソラリス』の原作者、スタニスワフ・レムです。もちろん本作は『2001年…』の完成度には及ぶべくもありませんが、SF映画史にその名を刻んでもおかしくはないクオリティは維持されていると思います。発売は12月26日でレンタル同日開始。未見の方はぜひこの機会に視聴してみてはいかがでしょうか。
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