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『Kubrick by Kubrick』の予告編。いままで邦訳されていなかったインタビューに期待。

 2020年7月14日(火)NHK BS1 午前0時(火※月曜深夜)にOAされる『キューブリックが語るキューブリック(Kubrick by Kubrick)』の予約はお済みでしょうか?本作は今年の「トライベッカ映画祭」で初公開の予定だったのですがコロナの影響で中止になったため、4月にフランスで初OA、ドイツ、ウクライナでもOAされたようです。そしてなんと7月に日本でOAは世界的に見てもかなり早い登場。本国アメリカやイギリスより早いなんて、さすがキューブリックびいき(?)なNHKさん、いい仕事してます!

 このドキュメンタリーは、キューブリックと長年懇意であったフランスの映画評論家ミシェル・シマンが、キューブリック本人と関係者のインタビューをまとめたものです。ミシェル・シマンといえば、当ブログのTwitterで毎日botでツイートしている『キューブリック語録』のソース本『キューブリック』の著者で、ファンにはお馴染みの人物。

 IMDbによると出演者は以下の通り。全てアーカイブ映像です。番組ホームページはこちら。録画予約やHDDの空き容量の確認も忘れずに!(管理人のよくやるミス。汗)

スタンリー・キューブリック
ミシェル・シマン
マルコム・マクダウェル
ジャック・ニコルソン
シェリー・デュバル
スターリング・ヘイドン
アーサー・C・クラーク
マリサ・ベレンソン
R・リー・アーメイ
ヴィンセント・ドノフリオ
ピーター・セラーズ
ギャレット・ブラウン
ケン・アダム
レナード・ローゼンマン
トム・クルーズ
ニコール・キッドマン
クリスティアーヌ・キューブリック


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 このザ・レモン・ツイッグス (The Lemon Twigs)というバンド、というか実質はブライアンとマイケルのダダリオ兄弟のユニットだそうで、出身はニューヨーク州ロングアイランド。ジャンル的にはソフトロックやポップロックと言えると思いますが、1960〜80年代のサウンドを彷彿とさせるいわゆるロック・リバイバル系ですね。

 この曲『These Words』は歌詞を読む限り現在のSNS時代を題材にしているようですが、それがなぜ『バリー・リンドン』になるのかはわかりません。単にMVの監督の趣味なんでしょうか? それにしてもしつこいくらいのズームアップ・ズームアウトやロウソクや決闘のシーンなどは、笑ってしまうくらいにキューブリックしています。

 最新MV曲『The One』も聴いてみましたが、ポール・マッカートニー&ウィングス、バッドフィンガー、パイロット、ラズベリーズ、そしてBCRなどを彷彿とさせる70年代パワー・ポップが懐か新しい。こういったサウンドが評価される海外と違い、日本では完全に無視されている現状は悲しい限りですが、日本の「ロック」は完全にガラパゴス化していますので、今後彼らが日本でメジャーになる、などということはないでしょう。いわゆる「好きな人は好き」というニッチなニーズを満たすだけだとは思いますが、せっかく知ったバンドですし、今後の活躍を注目しておきたいと思います。

情報提供:Love cinemaさま

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『シャイニング』の空撮が流用された『ブレードランナー』初公開(国際)版のラストシーン。シネスコサイズに合わせたので、空撮のカットが横に伸びている。

正しいアスペクト比の『シャイニング』のオープニングシーン。

リドリー・スコットの発言は24:45頃から。

 『ブレードランナー』初公開(国際)版のラストシーンの空撮は『シャイニング』のオープニングの流用であるというのはファンの間では有名な話ですが、その詳細を語るリドリー・スコットの動画がありましたのでご紹介。内容の概略は

 17時間に及ぶ山脈の空撮映像が編集室に届き、キューブリックが『ブレードランナー』のラストシーンで使用される車の種類を電話で質問してきた。私がブロンコだと答えると、「俺の方はフォルクス・ワーゲンだぞ。困ったな」と言い、『ブレードランナー』のスクリーンサイズを尋ねられ、ワイドスクリーン(シネスコサイズ)だと答えたら、「それならワーゲンが伸びてブロンコに見えるな。それで大丈夫だ」と言った。

 後日、再びキューブリックから電話があり、「もうひとつ言っておくことがあるんだ。今、君はそのフッテージを観ているところだと思うが、俺が使った部分を君が使った場合、その時点で使用禁止になるからな。いいね」と言って電話を切った。これぞキューブリックさ。

(翻訳:カウボーイさま)


とのこと。

 『シャイニング』は全編35mmのフルサイズで撮影されていて、それを上下カットしてワイドスクリーン化して上映されました。キューブリックがスコットにスクリーンサイズを尋ねたのはそれがあってのことですが、「ワーゲンが伸びてブロンコに見える」とは、35mmフルサイズを左右に伸ばしてシネスコサイズにしたら、ワーゲンの車体が左右に伸びてブロンコ(SUV車)に見えるね、という意味だと思います。もちろんキューブリックのジョークですが、実際は車が映ったカットは使用されませんでしたので問題はありませんでした。それよりも上記の映像を比較すれば「左右伸ばし」なのがモロわかりなのが興味深いです。

 キューブリックは『シャイニング』から35mmフルサイズで撮影し、上映時は上下カットのワイドサイズ(ビスタサイズ)で、TV放映時はフルサイズ(当時のTVは4:3だった)でというフォーマットで落ち着きます。ワイドサイズのTVが当たり前になった現在では、旧版のDVDでしかフルサイズを視聴することはできません。キューブリックのアシスタントだったレオン・ヴィタリの証言によると、キューブリックは『シャイニング』の頃まではビデオソフトには特に注意を払っていなかったそうです(ビデオが一般化するのは80年代前半以降)。もちろん一般化してからは例によって例のごとく「こだわりの虫」が騒ぎ出し、自作のビデオ化にも口うるさく介入、そのとばっちりはレオンが一手に引き受けることになるのですが、その一部はドキュメンタリー『キューブリックに魅せられた男』で伺い知ることができます。本作は最近DVD化されましたので、ぜひご覧ください。

情報提供:カウボーイさま

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 革新的な1968年の映画『2001年宇宙の旅』の宇宙服は、デイヴィッド・ボーマンがHALを「殺害」したときに着用したと考えられており、来月オークションに出品されます。

 7月17日から18日にビバリーヒルズで開催される、ハリウッドと宇宙探査の記念品ショーのハイライトである宇宙服は、控えめに見積もっても20万ドルから30万ドルと推定されています。

〈以下略〉

(全文はリンク先へ:Gulf Today/2020年6月30日




 20万から30万ドル(約2,100万円〜3,200万円)とはまたすごい金額ですが、宇宙服は月面のモノリス発掘現場のシーンで使用されたものに見えます。ヘルメットは記事によるとボーマンによるHAL殺害シーンの撮影に着用した可能性があるとのことで、その理由は緑色の塗料が付着しているかだらそう。白と黄色のペンキの層になってるという記述もあるのでプールのヘルメットの可能性もありますが、もしそうだとしても、白に塗り戻す必然性を感じません。撮影の順番は月面シーン→ディスカバリー号のシーンなので、月面シーンで使用したヘルメットを色を塗り替えてディスカバリー号のシーンで使用したなら、緑や黄色のまま残っているはずです。撮影が終わってわざわざ白に塗り戻す、などということはちょっと考えられません。詳細は現物を観察しなければ不明ですが、管理人の予想は、このヘルメットは月面シーン(もしくはムーンバスのシーン)に使用されたもので、その後色のテストか何かで黄色や緑色に部分的に塗られたか、作業中に塗料が付着しただけのものではないでしょうか。

 そうなるとこの約3,200万円という落札予想価格は高額すぎると思えますが、果たしてどうなることやら。買われるにしても来春に開館予定(また延期したらしい!)のアカデミー博物館に展示する展示物(『2001年…』で現存する唯一のモデル「アリエス1B宇宙船」が展示予定)として、アカデミー協会にぜひ落札して欲しいものです。

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 キューブリックと一緒に仕事ができなかったことを非常に後悔しています。作曲を依頼され、承諾したのですが、彼の律儀さゆえに、ちょうど私が作曲した音楽をミックス中のセルジオ・レオーネ監督に電話をかけてしまったのです。私はもうその仕事を終えていたのですが、レオーネはキューブリックに、私はまだ作曲中だと伝えてしまいました。それでキューブリックはもう頼んできませんでした。このことで『時計じかけのオレンジ』の音楽を作曲することができませんでした。とても残念です。キューブリックはその後二度と連絡してくれなかったのです。



 先日逝去の報が伝えられた、映画音楽の世界で多大な足跡を残したエンニオ・モリコーネですが、キューブリックは『時計じかけのオレンジ』の音楽をモリコーネに依頼していたそうです。ですが、キューブリックが律儀にもセルジオ・レオーネに電話(おそらく「今度モリコーネと一緒に仕事することになったので彼を借りるよ」的な挨拶の電話)したところ、レオーネ監督は「モリコーネはまだ私と仕事中」と応えてしまい、それからモリコーネにキューブリックからの連絡は途絶えてしまったのだそう。

 どうしてレオーネは終わったはずの仕事(『夕陽のギャングたち』の音楽)なのに「まだ私と仕事中」と応えてしまったのでしょう? 理由は「キューブリックにモリコーネを取られるのが嫌だった」「モリコーネは終わったと思っていたが、レオーネは曲のリテイクを考えていた」などいくつか考えられますが、理由はどうであれ、この件でキューブリックがモリコーネに不信感を抱き、連絡を絶ったのだと思います。キューブリックは片手間で自分の作品の仕事をしてもらうのを嫌います。オファーを受諾したからには自作に全力投球をして欲しがるのです。ですので、レオーネの仕事をしながら自作の仕事をしてもらうことを許容できなかったのですが、モリコーネはこの件を非常に悔いているようです。レオーネにしてみれば「やれやれ」だったのかもしれませんが。

 そのレオーネとキューブリックの間にはこんな会話もあったそう。

キューブリックが私に言った。「私はエンニオ・モリコーネのアルバムをすべて持っている。 どうして私はあなたの映画音楽が好きなのか、私に説明してもらえないか?」私は「心配しないで!私は『2001年…』を見るまでリヒャルト・シュトラウスを使うなんて考えつかなかったから」と答えました。(引用:【関連記事】スタンリー・キューブリックが好んだ映画のマスター・リスト(2016年7月25日改訂版)

このコメント、『時計じかけのオレンジ』でのモリコーネの奪い合いが影響しているのだとしたら、レオーネの若干皮肉めいた言い方も腑に落ちますね。

 その両巨匠に愛されたエンニオ・モリコーネは2020年7月6日に逝去しました。享年91歳。故人のご冥福をお祈りいたします。

情報提供・翻訳協力:Shinさま

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